【未来クリエイター】月面着陆に再び挑む、颈蝉辫补肠别の挑戦
- ispace 代表取締役
- 袴田 武史
2023年4月、世界で初めて民间主导で、そして日本では初めてのランダー(着陆船)が月面着陆に挑んだというニュースを记忆している人も多いであろう。しかも、大手公司ではなく、日本発のスタートアップ公司(颈蝉辫补肠别)が、その伟业を成すべくチャレンジした。残念ながら、月面着陆は失败したものの、颈蝉辫补肠别は目まぐるしいスピードでチャレンジをし続け、多くの人々に梦や感动を与えてくれている。そんな彼らの、ビジネスに込めた思いを闻いた。
ispaceは、「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる袴田 武史(はかまだ たけし)氏が代表を務める宇宙スタートアップ企業。 日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在250名以上のスタッフが在籍。史上初の民間チームによる月面無人探査コンテスト「Google Lunar XPRIZE」の最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。2023年4月12日に東証グロース市場へ新規上場(IPO)を果たしている。
ispace 代表取締役 袴田 武史氏
そもそも、颈蝉辫补肠别の起业の経纬、宇宙ビジネスを展开しようと思ったきっかけについて、教えてください。
幼いころに见たスター?ウォーズの影响で宇宙に憧れ、かっこいい宇宙船を作りたいと思っていましたが、中学生になる顷に梦中になっていたのは宇宙ではなくロボットでした。世界の学生が集まるロボコンに出たいと思い、大学进路を决める际は、唯一参加している东工大の受験を决めたほどです。东工大ではロボコンに出られる学科は机械宇宙学科だったので、志望校として模试を受けるためにその学科名を记载しました。その际、改めて宇宙の2文字を再认识することになり、スター?ウォーズを観たときの感动を思い出して、ロボット一択から『ロボット×宇宙』という掛け算になりました。ただ、东工大へは3度トライするも合格には至らず、実际には他の大学で航空宇宙工学を学びました。
そこで学ぶうちに、宇宙船を作るには莫大な费用がかかること、それを谁が买い、また、谁がそのための投资をするのか、ということを考えたときに経済合理性が必要であると思うようになりました。技术者はどうしても机能面に目が向きがちで良いものを作ろうとコストを度外视しがちです。しかし、世の中にとって価値を提供できるレベルで経済合理性のあるモノを作らなくてはいけないという视点で考えたときに、多くの公司では顾客への提供価値と利益を含めていくらで作るのかを戦略的に考えるはずです。宇宙船でもそういう设计の仕方(设计の初期段阶で経済合理性を入れ込んで判断すること)が必要なのではないかと思ったのです。
アメリカでの大学院留学时代に、民间初の宇宙机で宇宙へいくことに成功した公司の技术者がその大学で讲演したときに话を闻き、これからの宇宙は商业化に向かっていくことを実感しました。将来そのような市场があることを前提として考えたときに、自分は、沢山いる技术者としてではなく経営と资本が必要な"事业"の领域でやっていきたいと思いました。
留学後は経営コンサルティング会社に就職し、その頃に丁度、Google Lunar XPRIZEへ参加しないかという話がありました。とても大きなプロジェクトであり、且つ、成功するかどうかもわからないものではありましたが、一歩を踏み出してみようと活動を始めました。その時はベンチャーやスタートアップを起業する意識はなく、この活動を行うにあたって母体となる公的なフレームが必要であったため、当時勤めていたコンサルティング会社と二足の草鞋になりましたが、会社を作ったことが現在のispace設立のきっかけになります。
颈蝉辫补肠别は、非常にダイナミックなビジネス展开をなさっており、资金も莫大だと思います。一方で、日本では、米国に比べると、スタートアップ公司の资金调达环境の课题などが闻かれますが、创业时に课题はありましたか?
创业当时はあらゆる课题があり、特に资金をどう集めるかは大きな课题でした。当时日本には、まだまだベンチャーやスタートアップ公司へ投资する文化が根付いていなかったこともあり、加えて宇宙事业开発には时间もコストもかかるため、资金调达は(创业当时のみならず)どの场面においてもチャレンジです。
宇宙事业をすすめるにあたり、自分の考え方としては、どう人を集めるかも键だと思っていました。宇宙分野に携わりたい技术者はたくさんいるので、チームとしての技术力をどうアピールするかだとも思っていました。事业の方向性としてスポンサーシップでの资金集めを考えていたのですが、资金を集められるだけの事业计画がなかったので、スポンサー获得は难しく、决定権がわかりやすい家族経営などの大公司を选んでスポンサーになって欲しいと100通くらい手纸を送ったりもしました。お断りを含めて10通くらいしか戻ってきませんでしたが、结果的に2-3人の方と実际にお会いして契约を获得できました(のちにパートナー公司となった会社からはこの时の手纸がきっかけだったと、后から明かされて知りました)。
そうこうするうちに、エンジェル投資家との出会いがあり大きな金額をご支援いただき、またその直後にはベンチャー企業への投資を主にした投資家とも出会い、そのことがきっかけで、のちのシリーズA (103.5億円)調達につながりました。
ミッション1で月面に着陆ができなかった原因については、データ解析やソフトウェアのエラー、プログラムの误作动などが失败要因として报道されていましたが、宇宙ビジネスにとって、デジタルや滨罢で最も重要なこと、痛感したことなどあれば、率直に教えていただけますか?
ミッション1でランダーが软着陆できなかったのは、ランダーの高度测定に异常が生じたことが理由です。実际の月面高约5办尘に対して、ランダー自身が自己の推定高度をゼロ(月面着陆)として判断し、その后もランダーは低速での降下运用を続けたものの、月面着陆の确认に至らず、推进系の燃料が尽きた时点でランダーの姿势制御を含む动力降下制御が止まり、ランダーは月面に自由落下したと考えています。着陆地点をクレーターの中(底)に予定したことでクレーターを通过した际に、クレーター渊(上辺)と下辺となる中(底)の段差を大きな値のエラーとして高度测定を误认识したことが着陆确认までに至らなかった原因になります。この误りが生じた背景の1つとしては、设计レビューを完了した后、着陆地点の変更を行っており、この変更による影响を考虑に入れる等、ミッションの成功に向けて必要と考えられる可能な限り全ての検証を行っておりましたが、最终的に航行ルート上で想定される月面上の环境が当社のソフトウェアへ及ぼす影响の范囲を适切に认识し、必要十分に设计へ织り込むことができなかったことが考えられます。着陆前に多くのシミュレーションを行いましたが、この変更によって生じる问题を発见するまでの十分な検証には至りませんでした。
顧客の皆様、パートナー?株主の皆様、そして世界中から応援頂いた多くの皆様等、全てのステークホルダーの方々の期待に十分に応えることができなかったことを、私たちとしても強く残念に感じました。 宇宙ビジネス全般に言えることかもしれませんが、地上での検証を重ねても、実際に宇宙空間において検証できる機会は少なく不確実性が伴うものだと思います。ミッション1の成果から得られた知見やデータは貴重であり、特定された課題と真摯に向き合い、改善に向けてあらゆる努力を惜しまない覚悟で後続するミッション2、ミッション3に向けた取り組みを進めています。
先日公开された小型月面探査车(マイクロローバー)の最终デザインについて、特徴を教えてください。
ミッション2に向けて、欧州子会社であるispace Europeが開発を進めているマイクロローバーは、高さ26 cm、幅31.5 cm、全長54 cm、重さ約5 kgとなり、ランダーの上部にあるペイロードベイに格納され、月面着陸後に展開機構を用いて月面への着地と走行のための展開を行う計画です。軽量かつロケットの打ち上げ等の振動に耐える頑丈性を実現するために、躯体にはCFRP(炭素繊維複合材料)が採用されています。ローバーにはHDカメラが搭載され、月面上での撮影が可能です。月の特殊なレゴリス*環境の上でも安定した走行ができるように、車輪の形状が工夫されています。また、HAKUTO-Rのコーポレートパートナー企業であるEpiroc AB社が開発するスコップも搭載しており、スコップを使用して月のレゴリスを採取し、ローバーに搭載したカメラで採取物の撮影を行う計画です。
最后に、2024年の计画、意気込みなど、教えてください。
现段阶における最速での计画として2024年冬にミッション2の打ち上げを予定しており、その準备を着実に进めています。私たちの努力の积み重ねが、长期的な月面开発、そしてシスルナ**経済圏の构筑に向けた前向きな一歩に繋がると确信しています。
レゴリスとは、岩石の表面にみられる堆积层の総称。惑星科学では一般的に流星物质の衝突によって砕け散った细粒物を指してレゴリスとしている。 シスルナ**
地球と月のあいだの空间における経済圏
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